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お知らせ

の色をうんぬんすることもない。
しかし一方、八ツにはそこそこ雪が積もる。地面が白一色だと眩しくて人間の瞳孔はもう最小限に縮むだろう。私もリュックの中が真っ暗で荷物が取り出せなくて困ったことが何度もある。
この状態で空を仰ぎ見れば青空も「黒っぽいほどの濃紺色」に見えるものだ。これはカメラの露出不足の状態と同じ。

「太平洋側気候」でありながら雪がかなり降るという「日本海側気候」に近いのはなぜだろう。
思うにそれは八ツの周辺の地形に秘密があるのだった。
大陸から吹き付ける寒気は日本海の水蒸気を伴い、北アルプスなどの山々に大雪を降らせて山を越えると一気に乾いてしまい、中央分水嶺を越える頃には「カラッ風」となって里に吹き下りるのが普通。
しかし八ヶ岳の場合は北アルプスや中央分水嶺を越えたところに諏訪湖という大きな湖があるのだ。比較的温かい諏訪湖の水蒸気がカラッ風に運ばれて八ツの峰を直撃する。それで八ツには他の地域よりも雪が多いんじゃないか。

春先から夏にかけては諏訪湖側(美濃戸側)からガスが吹き上がり稜線を越えて行くのを見ることがある。
稜線を越えるとガスは消えて行ってしまう。
水分をたっぷり含んだこのガスが八ヶ岳の高山植物を育んでいるようだ。
稜線を歩けばあれこれの花が咲いているのは諏訪側ばかり。反対の佐久側はハイマツやシャクナゲなどの低木ばかりが生えている。
稜線を挟んできっちり一線を画している。

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